紅色の頬

next | top
自分のベットに横たわるミナコを目の前に
幸之進は途方に暮れる。
「・・・まいったな。どうすりゃいいんだ。」
そんな状態のまま、10分が過ぎようとしていた。





紅色の頬






何かと気になる存在のあいつ、小波ミナコ。
週末、たまにデートに誘われ出掛けて。
何気なく出掛けて行くのだが
それが毎回思う以上に楽しくて。

週末になるとソワソワしてしまう自分が居た。
そんな甘い気持ちになるのが嫌で
バンドの練習を入れたりした。
しかし練習中も何かと気が散ってしまい
途中で歌詞は飛ぶわ
メロディを間違えるわで
挙げ句の果てにその事でメンバーともめてしまい
この一ヶ月間、正直練習どころでは無かった。




数日間悩んだ末
もうこれは自分の気持ちに素直になるしかないと
幸之進は開き直った。
(自分の為にも、メンバーの為にも・・・)

計画決行は金曜日の放課後。
普段は眠たくなる若王子先生の授業もしっかり受けた。
(と言うよりも、ただ起きていた。と言う方が正しい。)
昼休み、陽の当たる音楽室で一人ギターを弾く至福の時間も
今日は落ち着かないものとなった。




大きな窓から温かい日差しの照り込む踊り場で
日誌を手に職員室へと向かうミナコを見つけた。

落ち着け、落ち着け俺の心臓・・・!

「お前、あさってさ
良かったら、その・・・俺の家に来ないか!?」
「うん、行く行く!」と即答で喜んでくれたものだから
幸之進の心は浮き足立つ。
ライブよりハイテンションってどう言う事だよ!?と思いつつも
にんまりと緩む頬。

「・・・じゃなくて!!!」

パシパシと頬を叩き気合いを入れた。
他の奴らにこんな顔を見られたら
何を言われるか分かったものでは無い。

「どうしたの?大丈夫、ハリー??」
不思議そうな顔のナミコを見て
カーッと恥ずかしさが込み上げる。
「う、うるせぇっ!!楽しみにしとく・・・じゃなくて
楽しみにしとけよっ!じゃあなっ!!!!」


全く余裕の無い幸之進は
ミナコを残したまま、その場から離れるのが精一杯だった。
next | top
Copyright (c) 2006 kureha All rights reserved.
 

-Powered by 小説HTMLの小人さん-