SVAカンボジアNOW

アジアの子どもたちに教育を

〜共に学び、共に生きる〜  

 〜今月の目次〜

第4号 2006年9月29日

 

  ▼ 所長のミパド
 ▼ 図書館ニュース
 ▼ 第11回アジア文化祭
 ▼ スタッフインタビュー第3回
 ▼ 事務所の動き

カンボジア事務所に10月より新しいスタッフが加わります。先月、スラム事業アシスタント、総務課、ドライバーの3つのポジションの募集を行ったところ、スラム事業と総務には各18名、ドライバーには12名と多くの応募がありました。 書類審査と面接、パソコンと英語能力テスト、運転試験を経て、総務の女性とドライバーの男性の2名の新スタッフが決定しました。 皆新しいスタッフと働くことを楽しみにしています。新スタッフは今後のインタビューでご紹介してゆきます。

所長のミパド(ミッション、パッション、ドリーム)

今、食べる米か、学校か

「これが本当に学校」。言葉を失った。教室は、一教室のみ、竹と椰子の葉で出来た小さな学校。子どもたちの姿が無ければ、失礼ながら家畜の小屋と思ってしまう建物。田圃の真ん中にあり校庭も猫の額ほど。デコボコ道と泥濘、洪水で流された橋を迂回しながら車の天井に何度も頭をぶつけながら着いたのが、ドームサムリット小学校。車体の高い四輪駆動の車でなければ辿り着かない。村は、雨期の間は、ほとんど陸の孤島状態。

カンボジアの中部のコンポントム県コンポンスバイ郡の中にある。幹線道路から15キロの村の中にある。村の人口は、108家族、1365人。小学校は、1年生と2年生だけで、115人。先生は、二人。3年前に村人が、協力して作った学校。教室には、黒板と机と椅子だけ。教科書や教材は、全く無い。村も人目でわかる極貧の農村。木材で作られた家はほとんど見当たらない。


村長のドップさんは、現在、67才。元小学校の教師。22年前に教師をしていた時、村の森に食べ物を探しに行き、ポルポト派が仕掛けた地雷を踏んで片足を失くしている。それでも定年まで教師を続けた。「私は、教師をしていたので、村の子どもにとって教育がいかに大切かを理解しています。私たちと一緒に、学校を作って頂けるのなら、今の学校の周囲の米を作っている田圃を学校のために必要なだけどこまででも潰します」と、語った。「今、食べる米も大切だが、なによりも子どもたちの将来は、教育が大切」です。さらに「村人は、学校のためなら何でも協力します」。その眼光から、真剣さが伝わってきた。

極貧の村の村長。元教師。地雷で片足を失っても、子どもの教育に懸ける情熱。ここ半年、毎週のようにカンボジアの村の僻地の学校を訪問していたが、ここまで極貧で小さな小学校は初めてだった。しかし、村人の心は、元教師の村長と同じように貧しくはないと思った。貧しさとは、単なる衣食住医に欠くことではなく。自分の未来を自分で決断する機会のないことだとしみじみと思わされた。

何が何でもこの小学校を1年の間に、村人と力を合わせて建設しよう。それも、子どもたちの理想的な教育環境の「夢の学校」を作り他の村のモデルになればと心の中で誓った。そして、学校も教育もやはり情熱を持つ人だとつくづく村長との出会いから思った。

八木沢克昌

図書館ニュース

カンボジア的、図書室の効果

学校図書室の効果と聞いて何を思い浮かべますか?

活動を行っていますバンテイミンチェイ州の85の小学校で調査を行いましたところ、1位は図書室ができてから子ども達が「読書好きになった」、続いて「読解力が伸びた」という結果でした。でも中には面白い効果が見られています。

3位が「学校から抜け出す子どもの減少」で85校中12校がこれを効果としてあげています。どれだけすてきな校舎があっても学校がおもしろくないと休み時間にこっそり逃げ出してしまう子どもが多いのです。そこに現れた好奇心を刺激するカラフルな本が置かれた図書館。思わず休み時間ごとに足を運んでしまう子ども達が急上昇中です。これは10位の「時間通りに学校に来る子どもが増えた」にも関係しています。

9位にあげられているのが「親や親戚のために学校から本を借りて、子どもが家で本を読んであげるようになった」。字が読めないお母さんや家にいるたくさんの弟、妹のために、図書室から本を借りては、読んであげているそうです。バンテイチマー小学校に息子を通わせているお母さんも、「ここは激戦地でしたので学校に通ったことはありません。そんな私のために息子が一生懸命本を読んでくれるのです」と目を潤ませていました。

また「笑顔の子どもが増えた」という先生もいました。図書室ではおはなし、お絵かき、折り紙など子ども達が楽しめる活動を用意しています。1998年まで戦闘状態にあったバンテイミンチェイの大人に取って子どもの笑顔はかけがえのない宝物です。

まだまだある図書室の効果。図書室という空間の可能性は無限大です。

鎌倉幸子

第11回アジア子ども文化祭

2006年度「アジア子ども文化祭」の開催迫る

来月、10月21日(土)から29日(日)まで予定されている「アジア子ども文化祭(ACCF)」の開催がいよいよ迫ってまいりました。ACCFは今年で11回目、昨年はSVA25周年を記念して初参加のアフガニスタンを含めて7カ国より120人の子どもたちが集い、世界遺産で有名なアンコールワットで12月20日の夜に公演が行われました。アンコールワットをライトアップした特設会場で各国の子どもたちのすばらしい踊りや演奏に皆さん深い感動を覚えられたことと存じます。おかげさまで大成功のうちに無事終了することができました。

第11回目の今年は、カンボジアで2年連続の開催です。日本、タイ、ラオス、ベトナム、ミャンマー、そして開催国カンボジアの子どもたちが10月21日首都プノンペンに集まり、翌日の22日から海辺のリゾートで有名なシハヌークビルで3日の国際キャンプで交流と親善を深めた後、10月27日(金)の夜、プノンペンのプノンペン文化センターで公演します。日本からはさいたま市の和太鼓グループ「堀崎武州太鼓」(ほりさきぶしゅうだいこ)の子どもたち、タイからはクロントイスラムのSVA図書館で伝統舞踊を学ぶ子どもたち、ラオスからはSVAが協力する「子ども文化センター」のヴィエンチャンの子どもの家の伝統文化継承活動に参加している子どもたち、ベトナムからは「ハノイ・チルドレンズ・パレス」の子どもたち、ミャンマーからは伝統芸能全国子ども選抜チーム、地元カンボジアからは恵まれない子ども他たちを支援するNGOや文化芸術局でカンボジアの舞踊を学んでいる子どもたちが参加します。また、特別参加として、カンボジア在住の日本人で作る「メコン太鼓」のグループが参加します。皆さんご期待ください。

それではまた、来月のSVAカンボジアNOWでその模様を皆さんにご報告いたします。

手束耕治

スタッフインタビュー第3回

学校建設調整員 ユン・ヴィスナー

1. いつSVAに入りましたか?入るきっかけは何ですか?
私の名前はユン・ビスナーと申します。私は1965年、カンボジアのカンダール州で生まれました。1995年よりSVAで働いています。SVAは人生で3つ目の仕事となります。1989年インドネシアに船で難民として逃れ、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のボランティアとして3年間働きました。その後カンボジアに帰還し、UNTAC(国連カンボジア暫定統治機構)のスタッフとして2年間働きました。この5年間の人道支援機関での経験や田舎での牛の世話をして暮らした貧しい農民生活、ストリートチルドレンをしていたこと、難民となったことなど私自身の経験からNGOに関心を持ち、仕事をしたいと思うようになりました。困難に直面している人々や戦争によって苦しめられている人々のために、人道支援分野で協力できることは素晴らしい機会です。

2. 今、どんな仕事をしていますか?
現在、学校建設事業課の調整員をしています。私の仕事は事業に関わる学校建設事業課、教育局、学校や地域の人々の調整をすることです。

3. SVAに入って、良かったことは何ですか?
SVAで働いてきた10年間で、日本人スタッフやカンボジアを訪れて下さる御支援者の皆様、共に働くスタッフから多くのことを学ばせていただきました。私は学校や地域の人たちと近い距離で働く場が多く、このことは広く知識を得、NGO活動について理解を深めることができる良い機会です。SVAでは研修会への参加や、日本を訪れる機会も頂きました。

4. 仕事で大変なことはなんですか?
はい、あります。SVAは地域の人たちや教育局と連携して仕事をしていますが、日本の御支援者に申請書を提出した後で他団体や個人的な支援者と学校建設地が重なってしまうということが起こります。多くの地元支援者やいくつかのNGO団体ははっきりとした計画や指針がなく、そのためこのようなオーバーラップがおきてしまいます。

5. 将来の夢はなんですか?
カンボジアの人々が平和に暮らし、カンボジアに豊かな未来が訪れることが私の夢です。

6. あなたの趣味は何ですか?
読書や農作業をするのが好きです。

7. モットー(座右の銘)は何ですか?
皆と手を取り合い、弱い人々を支えてゆくことがモットーです。

事務所の動き

  ■ 10月3日  新スタッフ入社(予定)
  ■ 10月5日  八木沢日本から帰国
  ■ 10月6日  月例コーディネーター・ミーティング
  ■ 10月9日-13日  バンテイミンチェイにて図書館ワークショップ
  ■ 10月16日-20日 バンテイミンチェイにて図書館ワークショップ
  ■ 10月21日-29日 第11回アジア子ども文化祭
  ■ 10月27日 アジア子ども文化祭公演、プノンペン文化センター(17:00時より)
  ■ 10月30日 シハモニ国王即位記念日
  ■ 10月30日 シハヌーク前国王誕生日

※ 各事業課ではデジカメ、ビデオカメラ、ノートパソコンなどが不足しています。中古でもお使いになられていないものがありましたら、是非、事務所で活用させていただきたいと思います。 寄付になる方は、東京事務所カンボジア担当の白鳥まで、ご連絡お願いいたします。

※ 八木沢克昌所長のバンコク週報(バンコクの日本語新聞)での連載(カンボジア紀行)「カンボジア東西南北」がインターネットで読めます。下記のアドレスからどうぞ
http://www.bangkokshuho.com
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