21世紀まで残るだろうかと、存亡が危ぶまれていた中国の大型蒸気機関車「前進」も内蒙古自治区の集通鉄路が最後の牙城になりつつある。最近は、DL導入がたびたび取りざたされながらも、長大編成の前進重連貨物列車は今も健在だ。
2001年12月初旬、昨年の夏以来、久しぶりに中国蒸気メッカの経棚峠を訪れた。冬の熱水は3年ぶり。やはり冬は白煙が美しい。今回は「経棚峠冬季山岳ゲリラ作戦」と銘打って、銃火器ならぬカメラを担いで山野を駆けた。下坑子側のトリプルΩが一望できる哈達山(通称・D山)にも登頂。急斜面を昇り詰め、山頂で飲んだ白酒はことのほかうまかった。一方、前回はほとんど無風だった熱水側の山頂は極強冷風が吹きすさび、頬を差す痛みに耐え、300ミリ長玉レンズの揺れを押さえながらシャッターを切った。 今回は特別に夜間撮影行軍も決行! 給水停車をする経棚駅でのバルブ撮影を試みた。オレンジの色の光線に彩られ、蒸気のベールをまとった両頭前進をフィルムに焼き付けた。 この集通鉄路の前進たちも余命はあと何年かといわれている。願わくば、いつまでも元気な姿で鉄路を走り続け、私たちを楽しませてほしいものだ。 |
![]() ■ 2001年12月6日 六地釣〜上店 |
![]() ■ 2001年12月6日 哈達〜上店 |
![]() ■ 2001年12月7日 哈達山からの眺望。 |
![]() ■ 2001年12月8日 三地〜六地釣 |
![]() ■ 2001年12月6日 下坑子〜哈達 |
![]() ■ 2001年12月6日 哈達〜下坑子 |
![]() ■ 2001年12月7日 経棚駅 |
![]() ■ 2001年12月8日 六地釣〜上店 |
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