本文へスキップ

歌舞伎・劇作家 YUKIKO IWAGO

悠々人report

こゆきが出会った素晴らしき人々をご紹介します。


時枝正昭さん


 今回の悠々人は宇佐市長時枝正昭氏の登場です。
 時枝先生との出会いは、2001年の秋。
大分県民芸術文化祭オープニングステージのために創作した「古代宇佐物語・天の冠、地の杯」の舞台を宇佐市長として ご観劇くださったことに遡ります。
宇佐が舞台ということもあり、大変に喜んでくださって、翌年の地元宇佐での再演を強力に推し進めてくださいました。
 宇佐の舞台では市長みずからがステージ上で作品をご紹介くださるという上演スタッフにとって大変な栄誉を賜りました 。上演に先立って、市長との対談を市報に掲載していただいたり、「古代宇佐物語」の舞台についての講演をさせていただ いたりと、あらためて思い返せば、どれほど応援してくださっていることでしょう。
 さらに2003年に国立劇場で上演された新作歌舞伎「斑雪白骨城」は宇佐神宮近くの凶首塚が舞台になっていることから、 お忙しいご公務の合間を縫って遠路、国立劇場まで観に来てくださったうえ、ご丁寧なお褒めのお手紙をいただいて、お 礼の言葉もないほど感激しました。

 

 さて、その時枝先生が昨年「福郎のひとりごと」という著書を出版されました。
合同新聞のコラム「灯」の中で執筆されたエッセイや、映画監督の大林宣彦氏など各界の著名人との対談の模様など楽し いお話がいっぱい詰まっています。
その中に、な、なんと岩豪との対談も収録されていて畏れ多さに身の縮む気がしますが、とても嬉しく、ご恵送いただい たこの御本を宝物として大事に手元に置いておきたいと思っています。


 九州大学医学部時代に偶然同じ下宿で、それ以来のお付き合いをされている大分合同新聞論説委員長、狭間先生の推薦 文には「その文章は人柄そのものというか、気さくでユーモアがあり、幅広い視野からのユニークな切り口にはいつも感 心させられた・・・」とあります。
 いつもニコニコと笑顔で接してくださる時枝先生のお人柄はそのまま文章に出ていて、読んでいると温かい気持ちにな ります。時枝先生はお医者様ですが、お人柄そのものが癒し系、周りを見回してもなかなかそういう方にはお目にかかれ ません。
「文は人なり」とはまさにこのことだと思います。
都合がつかず出版記念パーティに出席できなかったという失礼にもかかわらず、御本をお送りくださるというお心遣いの 中にも細やかなご配慮がうかがえ、本当に有難いと思っています。



 こちらは1994年に出版された「患者のいす」。
医者として時枝先生が日常の診療の中で体験した愉快な出来事など、多くの出会いから生まれたエッセイをまとめた御本 です。
タイトルがまた素晴らしいのです。

 その謂われは・・・
開業して間もないころ、当時小学生だった長男の友達が診察にやってきた。
室内をキョロキョロ見回していたが、ややあって、
「先生、ボクは患者さんじゃから、お客さんじゃろ?」
「うん、まあな。・・・それで?」
「そのお客さんが小さいいすに座っちょって、先生が大きいいすちゅうのは、なし(何故)かえ?」
「・・・・」(「患者のいす論争」第3章より)

 私たち患者はそう思いますが、お医者様自身がそのことにハッと気づいて「そりゃそうだな」と素直に感じ、またそれ をご自身の本のタイトルにつけるなんて、並みの人間にできることではありません。
私達が時枝先生に感服する所以がわかっていただけると思います。
もったいなくも、実はこの御本も三年前にいただいたもので、直筆のサインまでいただいています。

    時枝正昭氏

昭和9年 大分県宇佐市生まれ
昭和34年 九州大学医学部卒業
昭和35年 九州大学温泉治療学研究所内科入局
昭和45年 内科医開業
平成12年 宇佐市長就任






悠々人メニューへ戻る