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歌舞伎・劇作家 YUKIKO IWAGO

これまでに出会った素晴らしい人々や楽しい出来事を・・・今更日記にアーカイブ!

「斑雪白骨城」新聞取材


2月某日。晴れのち雨

 なにを隠そう、偶然にも今日はこゆきの誕生日。東京からA新聞社の取材で、中津へ同行。
案内された先は鱧料理で全国的にも有名な筑紫亭。
明治32年創業の奥床しいたたずまい。
和風建築の粋。槇文彦、黒川紀章氏らの折り紙つき。
玄関脇には山頭火の句碑がある。
昭和5年11月、この店での句会で種田山頭火が作った一句。
「これが河豚かと食べてゐる」
福沢諭吉や広瀬淡窓らの掛け軸もさり気なく飾られている。
鱧の活きづくり、鱧しゃぶ、初めて味わう贅沢なお膳に感激。
波穏やかで陽光が海底までふり注ぐ豊前海で特上のマハモが水揚げされる。
「骨切り」という包丁術で一センチに十回以上包丁を入れても身崩れがせず、味を損な わない。
その柔らかく繊細な切り身を紙鍋の湯にさっとくぐらせていただくハモしゃぶ は絶品。

 続いて、こゆきへの取材。
「あなたにとって新作歌舞伎とは?」
「つきつめれば何を書きたいのか?」
ベテラン記者の単刀直入な矢継ぎ早の質問に緊張の連続。
唸りながら答えながらも、カメラのフラッシュに気もそぞろ。
写真写りが非常に悪いこゆき。カメラが気になって仕方がない。
といって今更気取っても始まらないので、思ったままの事をお話した。
新作歌舞伎のテーマを探す難しさ、ただ新しいだけでは新作歌舞伎とは言えないのでは ないか。
義理人情のしがらみよりも人間そのものを書ければ・・・という模索が今も続 いていることなどなど。
それに歌舞伎は見た目が派手なのが好きということ。
最後に「スーパー歌舞伎大好きでーす!」と。
さて実際の記事は一体いつどんな形となり登場するのだろうか?




 筑紫亭の離れの床柱に残る深い刀疵は、57年前、出撃前夜の特攻隊員が刀を振るって斬 りつけたもの。
城山三郎氏の「指揮官たちの特攻」に詳しく述べられている。

 
 筑紫亭の社長であり女将さんである土生かおるさんは噂以上に素敵な人。
やっぱり一流の人は違います。事実は小説より奇なり。
中津にお嫁に来てからは、中津の文化と観光の発展に心を尽くす土生かおるさん。
今回の歌舞伎上演をとても喜んでくださった。


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