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歌舞伎・劇作家 YUKIKO IWAGO

歌舞伎KABUKI

江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)


平成20年度(第63回)文化庁芸術祭主催 国立劇場11月歌舞伎公演
2008年11月3日(月) ~ 2008年11月26日(水)
「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)」 二幕十一場
― 明智小五郎と人間豹 ―

 

江戸川乱歩=作「人間豹」より
岩豪友樹子=脚色   九代琴松=演出  沢田祐二=照明 国立劇場美術係=美術
出演者=松本幸四郎 市川染五郎 ほか
----市川染五郎大凧にて宙乗り相勤め申し候----

第一幕 
第一場 不忍池、弁天島の茶屋の前
第二場 江戸橋広小路の支度小屋
第三場 ウズメ舞の場
第四場 隅田河畔の茶屋
第五場 浅芽ケ原

第二幕 
第一場 団子坂、明智小五郎の家
第二場 笠森稲荷
第三場 団子坂近くの道
第四場 洞穴、恩田の隠れ家
第五場 浅草奥山の見世物小屋
エピローグ 同 見世物小屋裏手

(役名)
松本 幸四郎・・・・(明智小五郎)
市川 高麗蔵・・・・(同心小林新八 娘お玉)
市川 春猿・・・・(商家の娘お甲 女役者お蘭 明智の女房お文)
澤村 鐵之助・・・・(老婆百御前)
松本 錦吾・・・・(目明し恒吉)
市川 染五郎・・・・(恩田乱学 神谷芳之助)

松本 幸太郎・・・・(菊師徳造)
松本 錦弥・・・・(神谷の下人伊助)
市川 弘太郎・・・・(お蘭の弟子お英)
市川 笑野・・・・ (お蘭の弟子お京)
松本 錦一・・・・(口上役)
尾上 寿鴻・・・・(鯉売り)



11月歌舞伎公演 国立劇場賞
○優秀賞 市川 春猿  (商家の娘お甲・女役者お蘭・明智の女房お文の演技に対して)
○特別賞 澤村 鐵之助 (老婆百御前の演技に対して)


ごあいさつ

 作品の脚色を担当させていただきました岩豪より、本公演をご案内させていただきます。

 2008年如月、江戸川乱歩作品「人間豹」を歌舞伎にしたい、との大変光栄なお話を頂きました。
高麗屋さん、国立劇場制作部の方々に、ご助言と激励を賜り、頻繁な打合せをもとに推敲と改訂を重ね、歌 舞伎脚本として今月末どうやら形が出来上がりました。
 新作のため、普段よりかなり早めの台本読み合わせ、稽古に入ります。
高麗屋さん親子の明智、人間豹恩田の火花を散らす対決に大いにご期待いただきたく存じます。
新作、さらには乱歩作品の初めての歌舞伎化とあって、企画した染五郎さんと演出も手掛けられる幸四郎さ んはすごく燃えていらっしゃって、仕掛けや美術、衣装や髪型など細かいところまで長時間の綿密な打合せ が行われています。
 岩豪作品としては5年ぶりの国立の舞台となりますが、今回このような形で参加させてさせていただけて 最高に幸せです。先日思わず「早く見たいです!」と叫んでしまい、幸四郎さんと染五郎さんに大笑いされ てしまいましたが、私自身観客の一人として上演を待ち焦がれる日々です。
「歌舞伎が大好きでいらした乱歩先生も喜んでくださって、毎日でも観にきてくださるのではないかな」と 仰っていた高麗屋さんのお言葉が耳に残っています。
 お一人でも多くの方に、ご観覧いただければと願っております。
どうぞ、霜月は三宅坂の乱歩歌舞伎にお運びくださいますようお願い申し上げます。  2008年長月  岩豪友樹子


公演パンフレット表紙 竹林豹虎図 名古屋城旧本丸御殿本丸障壁画

◆謝辞

 11月歌舞伎公演「江戸宵闇妖鉤爪」をご観劇くださいましたお客様に心よりお礼申し上げます。
私にとっては初めての脚色作品で、まるで闇の中を手探りで進んで行くような気持ちで執筆いたしました。
死に物狂いで乱歩の世界に肉薄したいと切望すること数ヶ月、この悪い頭を10年分くらい使った気がします。
その一方、こんな血湧き肉踊る遣り甲斐のあるお仕事に、ついに巡り遭えたという秘密の悦楽にどっぷり浸ってもおりました。
 この度、私が欲しうる最高の形で上演が実現し、松本幸四郎丈の明智小五郎、市川染五郎丈の恩田乱学をこの目に焼き付けることができたことで、私の生涯のうちの運を大半使い尽くしてしまったのではないかと感じております。
皆様の熱いご声援をいつまでも胸に抱いて、こののちも精進して参りたいと存じます。
ご出演の皆様、国立劇場関係者様、ならびに多くのスタッフの皆様に厚く厚くお礼申し上げます。
                                2008年師走 岩豪友樹子