○ わが子が聴覚障害と分った親御さんへ

本当にショックだと思います。 多くの人は、今まで聴覚障害とは無縁の世界にいたでしょうから。 わが家も同じく、聞こえていないと診断された、病院からの帰り、無言で運転していた 何とも言いようの無い時間が思い出されます。 そこから、立ち直るにはやはり時間がかかります。 全ての人に当てはまるとは言えませんが、まず“動く”事をお進めします。

“かかさん”が病院から帰って泣くのをこらえながら言ったことばを思い出します。 「私たちには、泣いている時間はなの、この子の教育をどうするか決めなければ」 私はすぐに本屋に行き、市の障害福祉課などに電話しました。 とにかく動いてると気が紛れます。 じっと考え込むのは良くないと思います。 まず、行動です。 しなければ成らない事はたくさんあります。 福祉課などからは、聾学校や、通園施設などを紹介してくれるはずです。 そこへ出かけて下さい。そうすれば、専門の先生がいます。 同じ仲間がいます。 先輩のお母さん方とお話するのが立ち直る早道の様な気がします。 きっと、思いがけず、元気で明るいおかあさん達がいます。

自分の子が聴覚障害と分った時、何処か遠くの人になった様な気がした。 と言われる方がいます。けれど、自分の子供を見て下さい。 そしてしっかりと抱きしめて下さい。 そこには、世界中で一番かわいい自分の子供がいます。 それは、決して変わることの無い事実です。 それだけで十分ではないですか? それが一番大切な事ではないですか? 自分の子はかわいいよねぇ〜。


<一番大切なこと>

そして、その後、聞こえない子供を育てるのに、何が一番必要か知っていますか? 一番におかあさんの精神的な安定。 それと、家族の中に流れるやさしい空気です。 おかあさんの気持ちが安定していなかったり考えの違いから夫婦仲が悪かったりすると 子供は敏感に感じ取り、いくら素晴らしい指導法を実践しても効果は上がりません。 “夫婦仲良く”が大前提ですね。

そこで、おとうさんの出番ですよ。 子供の教育は母親任せ、なんてとんでもない。 夫婦仲良く、協力することが大切です。 どうしてもおかあさんが子育ての中心になりますが おとうさんは傍で見てるだけではなく、積極的に参加して下さい。 唯でさえ、大変な子育てです。 おかあさんのストレスはどんどん溜まります。 休みの日はちょっとおとうさんが子守りをして、おかあさんに息抜きを与えて下さい。 それだけでもずいぶん違います。
わが家はどうかって? 大丈夫です。 仲良くやってますょ。 後ろで、もっと手伝ってと“かかさん”が文句を言ってます・・・


<仕事を続けたいと思っているおかあさんへ>

最近は、仕事を持つ女性が増えて来ています。 あなたのお子さんが聞こえないと分った時、仕事を持っているおかあさんは迷うと思います。 そして、多くの教育関係者からは、家庭の事情があるので強くは言いませんが 出来るなら仕事を辞めるように助言すると思います。 それは、今の聴覚障害児教育が大変手間のかかるものである為、学校だけの教育では不足する (と言うよりも家庭での教育に重点を置いている)からです。 ですから、おかあさんが仕事をしていたら 教育が成立しない事になります。

そこで、考えて頂きたいのですが、先にも述べました様に、一番大切な事は“母親の精神的安定”です。 もし、子供の為に仕事を辞めるとします。 その為に子供と接する時「あなたの為に好きな仕事を辞めたのよ」 と言う思いが出てくる様では、教育の効果は上がりません。 そんなことに成るのなら、仕事を続け、夫婦で協力し、教育法を吟味して、少ない子供と接する時間を有効に 使った方が良いといえます。 おかあさんが教育の為、一日中子供とベッタリになり、両者ともストレスでぐったり なんて、良くある話です。 とは言え、おかあさんが仕事を続けながら聞こえない子供を育てるのは大変な事だと思いますので どのようにするかは、夫婦でじっくり話し合って下さい。

今の聞こえない子供に対する教育的環境は、まだまだ整っていません。 ですから、家庭での教育が大切になります。 おかあさんが仕事をするしないに関係なく「教育は学校におまかせ」なんてのが、最悪です。 夫婦協力して頑張って下さい。
別におかあさんが働いて、おとうさんが教育担当になってもかまわないですよ。


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